コラム技術コラム2023.06.30

電波はどのように届く??

電波はどのように届く??

~電波とは?~

電波は、電磁波の1種であり、光よりも周波数が低いものを指します。(※正確には、3,000 GHz以下の電磁波)
その波は下図(青線)のように表され、点A~Bまでの長さを波長λ [m]、この波が1秒間に繰り返される数を周波数f [Hz]と呼びます。波長と周波数は、光の速度c = 3×10⁸ [m/s]を用いて、c = という関係式で示すことができます。

周波数と波長

各波長と周波数について、使用用途と種類を下表にまとめました。

波長と周波数の使用用途と種類

呼称 周波数 波長 用途
長波
LF
30 - 300 kHz 10 - 1 km 船舶、航空機用ビーコン

中波
MF

0.3 - 3 MHz 1 - 0.1 km 船舶通信、船舶・航空機用ビーコン、
中波放送、アマチュア無線
短波
HF
3 - 30 MHz 100 - 10 m 船舶・航空機通信、国際短波放送、アマチュア無線
超短波
VHF
30 - 300 MHz 10 - 1 m TV放送、防災行政無線、アマチュア無線、コードレス電話、
FM放送、消防無線、列車無線、警察無線、航空管制無線
極超短波
UHF
0.3 - 3 GHz 1 - 0.1 m TV放送、防災行政無線、アマチュア無線、コードレス電話、
携帯電話、タクシー無線、レーダー、無線LAN、移動体衛星通信
マイクロ波
SHF
3 - 30 GHz 10 - 1 cm マイクロ波中継、衛星通信、衛星放送、レーダー、無線LAN
ミリ波
EHF
30 - 300 GHz 1 - 0.1 cm 電波天文、衛星通信、簡易無線、レーダー

 

~電波はどのように届くのか~

電波は、送信機のアンテナから発せられ、空間を伝搬して受信機のアンテナで受信されます。

電波は、光と同じような性質を持ち、一直線上に進んでいきます。送信機から受信機に直接届く波を直接波と呼びます。また、建物などの障害物の影響を受けて、直接届かない場合もあります。障害物に跳ね返って届く電波を反射波、障害物の端(エッジ)に当たって後ろに回り込むようにして届く電波を回折波と呼びます。

特に、直接波のように障害物がない電波伝搬は見通し内伝搬、反射波・回折波のように障害物が存在するものは見通し外伝搬と呼ばれ、区別されています。

電波の届き方

~見通し内伝搬と見通し外伝搬について~

電波の受信電力は、見通し内伝搬と見通し外伝搬で計算が異なります。

① 見通し内伝搬の場合

見通し内伝搬の場合、電波は送受信間距離d [m]の2乗に反比例して減衰するということが知られ、自由空間伝搬損失L [dB]と呼びます。自由空間伝搬損失L [dB]は、

L = 20log10(4πd/λ)

と与えられます。(電力[W]を、電力[dB]に変換する変換式([dB] = 10log10[W])を使用。)

以上を用いて、受信電力Pr [dBm]は、

Pr = Pt + Gr + Gt - L

と表されます。 (Ptは送信電力[dBm]GtGrは送受信機のアンテナ利得[dBi]。)

 

② 見通し外伝搬の場合

見通し外伝搬の場合は、反射波や回折波によって、自由空間伝搬損失では評価できない新たな損失が発生します。このような損失をΓ [dB]として、受信電力Pr [dBm]は、

Pr = Pt + Gr + Gt - L - Γ

と表されます。見通し外伝搬による損失Γ [dB]は、測定データに基づく経験式や、レイトレース法などのシミュレーション手法を用いて求められます。

 

以上、「電波はどのように届く??」でした。

レイトレース法が利用できる電波伝搬解析ツールは、以下をご覧ください。

構造計画研究所の電波伝搬に関する解析事例は、こちらをご覧ください。

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